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ビーパルに美しい高原の風景が掲載されていた。そこには、まるでアルプスの少女ハイジが暮らす山小屋と高原のような風景が広がっている。なんて美しい場所なのだろう
それが七時雨牧場のある田代平高原だった
当時、僕は岩手の山についての知識は殆どなく、北海道や阿蘇草千里のような、なだらかな山なみと草原が岩手にあることに、まず驚いた。また「ななしぐれ」という言葉の響きも、とても魅力的だった。是非ともこの目で風景を見てみたいと、初夏の七時雨山荘を訪れてみることにした
東北自動車道安代インターを下車、安比高原と反対側の県道に入り、七時雨山をぐるっと廻るようにして田代平高原に辿り着く。そこにはビーパルで見た、そのままの風景があった。美しい。牧場には花が咲き、なだらかな高原の先に七時雨山が鎮座し、牧場に山荘がポツンとある。まさにアルプスの少女ハイジの世界だ
七時雨山荘といえば、イーハトーブ・トライアルレースのスタート地点として、全国に知られている。ビーパルの記事も、実はこのトライアルレースを取り上げたものだった。七時雨山荘は、北緯40度近くにあり、ここから北緯40度沿いに普代村の海岸までを旅する特集だったのだ
この牧場でキャンプしてみたい
山荘のご主人に相談をしてみた。結果はOKで、牛の邪魔にならない所だったら、どこでも好きなところにテントを張ってよいとの承諾をいただき、小躍りして、牧場にテントを設営した。しかし翌日、体の異変で目がさめた。どうも、痒いというか、痛い。注意してみると、大きなダニがいくつも体にへばりついている。ここはキャンプ場でなく、牧草地であることを忘れていた。牛にダニはつきものだった
山荘には温泉もある。硫化水素食塩泉で、なかなか気持ちの良い湯だ。山荘では食事もとれ、鍋料理から始まり、デザートのパフェとコーヒーまで、美味しい時間を過ごせる
七時雨山荘のご主人、立花さんはとても精力的な方だ
田代平高原の美しさを皆に楽しんでもらうために、イーハトーブ・トイラアルレースに協力し、毎年、夏には七時雨コンサートを開催している。立花さんからの情報によると、1年おきであるが、初夏、向いの田代山はツツジで真っ赤に染まるという。僕の訪れた年は、残念ながら、はずれ年だったようで、ツツジは殆ど見られなかった。次回は巡り会いたいものだ
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