|
礼文華から長万部にかけての海岸線は険しい崖が続く
車も長いトンネルを抜けながら、最後の山道を下ると噴火湾が現れ、長万部は静狩に到着する。ここから長万部駅まで、室蘭本線と海岸線にはさまれ、一直線の車道を気持ちよく走れる
写真は静狩駅から、まもない海岸沿いに咲くタンポポだ
本州で見るタンポポ畑と比較して、土地にゆとりがあるのか、こちらのタンポポは、隣同士に余裕がある。うらやましい限りだ。車を停め、しばしこの花園に見とれていた。荒涼とした海岸線の向こうには太平洋が広がっているはずだ。海を見たいとも思ったが、タンポポを踏みつけながら歩くのは、やはり気が引けてしまう
この風景を見つめていると、森進一の港町ブルースを口ずさみたくなった
背のびして見る 海峡を
今日も汽笛が 遠ざかる
あなたにあげた 夜をかえして
港 港 函館 通り雨
「深津武志 作詞 なかにし礼 補作詞 猪俣公章 作曲」による港町ブルースは
演歌が苦手の僕でさえ、高度経済成長、真っただ中の昭和を見事に表現していると思うのだ。これを名曲といわずして、何が演歌だろうか
学生時代、旨かったなぁぁと心の中に刻み込まれた、長万部のカニ飯弁当を懐かしく食べてみたのだが、豊かになった日本の暮らしに自分が慣れすぎたのか、はたまた、大量生産、売上至上主義の結果なのか、昔の感動にはほど遠い味で、ほろ苦さだけが思い出として残ってしまった
|