|
No.8 | 2002.4.5 |
[Exif位置情報 あり] |
|
牧丘をあてもなく散策しながら、丘の上から200mm望遠レンズで、なにげなく対岸の琴川を眺めていると、小高い山の上にあるしだれ桜に気がついた。頂上に1本だけぽつんと見事な花を咲かせている。とりあえずシャッターを押し、しだれ桜のある丘に登ってみようと思いたち、車を走らせた。迷いながらも琴川を渡ってからが実は難儀だった。さきほど写真を撮影した丘からは、しっかりとしだれ桜は見えていたのに、いざ対岸に渡ると、肝心の桜が全く見えない。仕方なく、勘にまかせてうろうろと走り回るが、情けなくなるほど、見つからない。このあたりだろうと覚悟を決め、車を道端に停車させ、丘の上の畑によじ登ってみた。勘は当っていた。目の前の山の頂上にしだれ桜があるではないか。道路の両脇が丘になっているので、車からしだれ桜は見えなくて当然だったのだ。しかし山に登る道は見当たらない。そこで畑の畦道を通りぬけ、道無き山を直登し、目指すしだれ桜になんとか辿り着いた。そこには「この地を乙ケ妻上の山という。展望の最も富める処で秋葉さんと天神宮を祀る詞を存す。このしだれ桜は四月中旬に開花し稀に見る大木なり。」と書かれていた。どうやら町指定の天然記念物らしい。このしだれ桜が神聖な存在であることも、桜の樹木の下に祭られている「秋葉山天神宮」の碑を見てもわかる。この桜の下に寝転び、見事な花を愛でていると、頭上から花びらがはらはらと舞い落ちてきて、なんともいえぬ幸福感に包まれた。後に乙ケ妻上の山の読み方を調べたが「おっかづまかみのやま」と読むらしい。 |
|
|
リンクバナーとしてお使いください 当サイトへのリンクはご自由にどうぞ |
「山と自然の旅」ホームページの著作権は株式会社インターリミテッドロジックにあります。無断掲載・転載・複製はご遠慮ください。 |