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笹ヶ峰を訪れる一番の動機は、乙見湖からの火打山を見るためだった。乙見湖のダムサイトに立ち、天狗原山、金山、裏金山、富士見峠、焼山と、ここまでは確認できた。しかしその先にあるはずの火打山が見えない。エッ、そんな...。しかし妙高の裾野の影で火打山は見えないのだった。一体どこまで行けば火打山は見えるのだろうか
湖畔近くに乙見湖食堂がある
多くのハイカーは、ここの駐車場に車を停めて散策する。昼食を兼ね、火打山の見える場所を聞きに食堂を訪れた。ここのご主人は、妙高高原の自宅から毎日、車で通勤している。周辺の山々の植物やきのこに関しても精通していて、某所にいけばトガクシショウマがある。マイタケが採れる、などなど、具体的な場所は秘密だが、貴重な話をしてくださる。採取した、きのこやネマガリタケを、煮沸、塩蔵し、販売もされている。そのご主人の説明によると、ダムを渡り、天狗山に登れば火打山は間違いなく見えるのだそうだ
食後、身支度をして、天狗山に向かったのだが、これが予想に反して、辛い山登りになってしまった。そもそも天狗山への登山者など、まずいない。だから登山道も殆ど廃道寸前というか、薮こぎに限りなく近い。天候も一転、雨も降り始め、道はかなり滑りやすく、しかも片側は乙見湖まで一直線の急斜面。木々もあるが途中で引っかかりそうもなく、滑り落ちれば、まずは助からないだろう。やっと目的の火打山が見えたと思ったら、どんどんと雲がかかりはじめている。慌ててビデオカメラと一眼レフをザックから取り出し、雲間に見え隠れする火打山をなんとか収めることができた。実際、記録した程度の出来でしかなかったが、それでも達成感はあった。撮影後、カメラをザックにしまうときに、うっかり、レンズキャップを落としてしまった。急斜面を乙見湖までコロコロと予想通りの結果であったが、これからの下山を思うと、背筋が凍りついた
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