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北軽井沢から志賀高原に向かう。途中、東部町の「アトリエ・ド・フロマージュ」に立ち寄ってみた。「アトリエ・ド・フロマージュ」は東部町から湯ノ丸高原に抜ける道沿いにある手づくりチーズ工房だ。施設内にはイタリアレストランも併設されている
今でこそ生チーズを含めて自家製チーズは日本全国で作られるようになったが、今から20年前までの日本では、大手乳業メーカーの作るプロセスチーズが大半で、ナチュラルチーズは輸入ものが少量入っていた程度だった。「アトリエ・ド・フロマージュ」の経営者、松本茂夫さん、奥様の容子さんは、1982年、個人で生チーズの作成、販売に日本で最初にチャレンジされた方だ。フランスに留学、乳製品専門学校でチーズの製法を学び、現在の場所でチーズ作りを始められた。しかし当初は全く売れなかったそうだ。1980年頃の日本では、チーズを嗜む食生活がまだ人々に根ざしていなかったからだ。そこで奥様の提案でチーズケーキとして販売したところ、これが大ヒット。旧軽井沢の支店はチーズケーキの美味しい店として人気店となった。チャレンジ精神旺盛な松本ご夫婦、ヨーグルトの製法でも特許、特開2002-335860を取得、風味豊かな「飲むヨーグルト」の開発にも成功している。何事も信念に基き、やり続けることの大切さと、その結果がもたらす素晴らしい世界があることを教えられる
東部町周辺は食べ物を研究される方に魅力の土地であるのか、地ビールの「OH!LA!HO! ビール」を命名された玉村豊男さんや隣町の北御牧村には山本麗子さんが住んでいる。玉村豊男さんは、東京から軽井沢を経て東部町に移住、現在ではブドウ農園まで手がけ、なんとワインの自家醸造をおこなっている。東部町の魅力は「アトリエ・ド・フロマージュ」の敷地に立てばよく分かる。ヨーロッパを彷彿させる高原の美しさだ。「アトリエ・ド・フロマージュ」のイタリアレストラン「リストランテ フォルマッジオ」では、食事を楽しみながら奥秩父、八ヶ岳から霧ヶ峰にかけてのパノラマを満喫できる。この開放感が軽井沢の別荘地との大きな違いだ
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