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No.233 | 2003.11.19 |
[Exif位置情報 あり] |
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大峰山々の麓、天川村を訪れた。吉野郡は柿の里だ。下市から柿畑の峠を越え洞川に出た。洞川周辺は名水百選にも選ばれた「ごろごろ水」が湧き出るほどの良質の水と温泉があり、行楽客で賑わう。商店の連なる町並みを散歩していると「陀羅尼助」(だらにすけ)を扱う店によく出会う。陀羅尼助は胃腸薬で、大峰で修行する役行者がキハダの木の皮を煎じたり、あるいは乾燥させて作ったもので、1300年の歴史を持つ漢方薬だ。ここ天川村や吉野山では陀羅尼助を扱う漢方薬店は多い。天川を歩いて感じる空気は明らかに宗教の気配だ。洞川は山岳信仰と密教が結びついた修験道の拠点でもある大峰山々への入り口であり、現世と神の地との境界。そして山の神から村人達に与えられた恵み、それが陀羅尼助なのかもしれない。僕も土産として購入、帰宅後に使用してみたが、確かに効能はあった。それにもまして僕が購入した店の方の接客対応は感動すら覚えるほどに丁寧であり、また歴史の重みを担っていた。この体験をいただけただけでも、十分な土産だった |
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