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男鹿半島から八郎潟、大潟に向かう。八郎潟は干拓地として社会科の授業で学んだ場所、一度この目で確かめておきたかった。実際訪れてみて、いまさらながら驚いた。一直線の道路が延々とどこまでも続く。しかも信号機1つもない。北海道以外の街中でこのような体験を出来るとは
大潟までやってきたのだからと、大潟に隣接している山本郡山本町の森岳温泉を訪ねようと向かったのだが、これが意外と苦戦してしまった。森岳温泉周辺にはゴルフ場や森岳温泉病院があり、この敷地が広くて、肝心な温泉街になかなか辿り着けないのだ。森岳温泉ヘルスセンターにやっと辿り着いたものの、時間帯が中途半端だったので、入浴は諦め、一路八郎潟に戻ることにした。ここは小高い丘の上にあり、寒風山から日本海の夕日まで一望できる、展望露天風呂が売りの温泉だ。施設は古いが、入浴料1000円、仮眠室1000円と安いので、自家用車やバイクの方達が割り切って仮眠するにはよいかも
山本町が日本一の「じゅんさい」生産地だと知ったのは帰宅してからだった。森岳温泉から適当に道を走っていると、進行方向にブタの看板が突然見えた。一旦通り過ぎたのだが、どうしても気になりUターン、訪れてみた。看板には「手づくりハム&ソーセージ かわい農場」と書かれている。小さな店内に入ると客は僕だけだった。ショーウインドウの中にきれいな豚肉が並んでいる。日頃スーパーで見かける豚肉とまるで違う色艶をしている。見るからに美味そうだ。手作りウインナに目がない僕は、さっそくウインナソーセージを購入、その場で1本食べてみた。これが絶妙に旨い。いままで多数食べてきた手づくりウインナの中でもトップクラスの味だった。もちろん防腐剤などの添加物は一切使用されていない。空いていることをさいわいに、店の経営者の奥様、川井紀恵子さんに感想を述べると、使用している豚について丁寧に説明をしてくれた。「かわい農場」は家族経営で、ご主人は安全で美味しい、最高の豚肉作りを目指し、黒豚であるバークシャー(母豚)、栗毛色のデロック(父豚)、そして白色のランドレース(母豚)の3種類を飼育している。ちなみに雄のデロックと雌のランドレースを交配したものが「もち豚」なのだ。飼育の餌にもこだわり、ソーセージやハムなども長期熟成させた肉を白神山麓に自生した桜のチップを使用して燻製にしているほどの力の入れようだ。なによりも驚いたのが価格。スーパー並かそれよりも安いことだ。例えば精肉、黒豚のロース100gが238円、半黒だと208円、バラ肉のスライス黒豚168円、半黒148円、各種ソーセージは100g280円、手巻きロースハム100g480円と、この肉質を考えると相当にお得な価格だ。流通を通さない直接販売だから可能なのだろう。僕はインターネットでの販売はしないのですか、と、尋ねたのだが、今のところ通販はFAXのみで、ネット販売はまだ考えていないそうだ
土産としてウインナソーセージ、荒挽きソーセージ、スモークレバーを購入したが、予想通り大好評だった。キャンピングカーでの旅のメリットは、なんといっても冷蔵庫があることだ。一般的なアウトドア用クーラーボックスの場合、中に入れる氷で容量の半分を消費してしまう。しかも途中で氷の補充と処分をしなくてはならないし、溶けた水で食べ物が濡れてしまう可能性もある。しかしキャンピングカーに搭載されている冷蔵庫は、バッテリー駆動なので冷蔵庫のスペースは全て使用できる。ビールはいつも冷えているし、生モノの土産も持ち帰れる。もっとも持ち帰る前、途中で食べちゃうこともままあるのだが
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