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太地(たいじ)町は捕鯨の町としての歴史を持ち、現在も期間限定ではあるが、追い込み漁でゴンドウクジラやイルカを捕獲している
太地湾の漁港は小さいながらもコバルトブルーの美しい水面が印象的だ
鯨のアーチをくぐり、漁港から丘の上に出てみることにした。特に目的があるわけでもなく、ただ道草してみたくなったのだ。上りつくと、新興住宅街の風景が広がっていた。道の分岐を適当に走っていると、こんもりと木々の茂った中にすごい豪邸が左側に現れた。なんでこんなところに..と..よくよく見ると、「落合博満野球記念館」と書いてある。あぁぁ、ここが噂の場所だったのか。入場料はなんと大人2000円。だいたい交通の便が決していいとはいえない太地ですよ。太地の方達には申し訳ないが、観光名所といえば、「くじら浜公園」くらいなものだ。もう自分への熱烈なファン以外は来るなよ、という力のこもったメッセージが直球で飛んでくる。さすが、孤高の人、落合。ここまでやってくれると、その妥協しない生き方に脱帽する。「落合博満野球記念館」を後にして、燈明崎に向かう。燈明崎は鯨油を使った燈明灯台のあった場所だ。周辺ではスダジイに混じり、自生のヤブツバキがあり、太平洋の黒潮を眺められる
燈明崎に向かう途中に洒落た建物があった。太地中学校と書いてある。外観からは、とても学校とは思えない、かなりセンスの良いデザインに正直驚いた。特に校門からのアプローチが美しい。写真はその太地中学校の近くで見かけた普通の民家だ。花を愛する主人の気持ちが見てとれる
昨今のガーデニングブームを見ていると、辛くなるものがある。花を単なる絵の具のようにモノとして捉えている人達があまりに多いように感じる。「デザイン的にキレイでありさえすればよい」という彼等のメッセージが聞こえてくる。だから花は単なるパーツにすぎない。先日、衛星放送はガーデニングの番組で見たシーン。花を植えるのに、土に殺虫剤を混ぜている。つまりだ、この女性は虫が嫌いなわけ。だから虫が寄り付かないようにしていると言っていた。おいおい花は虫を求めているのだよ。自然を愛するのではなく、自分に都合の良い「きれいさ」だけを求める様は、自分に似合うかも確認せずにブランド品に群がる姿にも共通している。彼等は野に咲く花達には目もくれず、いわゆる見た目のハデなワイルドフラワーを追い求めるのだろう
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