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栗駒山麓に流れる皆瀬川は温泉の川として有名。特に小安峡(おやすきょう)は高さ約60メートル長さ4キロメートルにおよぶ深いV字谷、目眩がするほどの絶景だ。下の渓谷には遊歩道があり、道の真横の岩からゴゴーという大音響とともに、猛烈な水蒸気が吹き上がる
ここから秋田栗駒への拠点である須川温泉までは1時間弱、鳥海山までも1時間半程度で行けてしまう。関東に一番近い秋田がこの一帯だ。白神山地、男鹿半島、八幡平や秋田駒ヶ岳、角館も素晴らしいが、栗駒から鳥海山にかけての秋田も野趣溢れる場所。秋田は北から南まで、どこも見所ばかり。人も少なく、人情にも厚い。隣の宮城栗駒と比較しても全くの異国。宮城栗駒は盆踊りの開始時刻になっても人はまばら、仕方なくカラオケが始まった。東京砂漠がこの地にも及んでいるのに比較して、一旦秋田に入れば羽後町の西馬音内盆踊りのように素晴らしい文化が残っている。古きよき日本人の姿が秋田にはある。栗駒山を境に、かように文化が異なるとは。まるでサンディエゴから国境を越え、ティファナに入ったくらいのカルチャーショックを受けた
川原毛地獄を小安峡に向かう途中にじゅんさい沼がある
この沼はその名の通り、じゅんさいが湖面を覆い尽くしている。夏はじゅんさいの収穫期で、箱舟に乗り、じゅんさいを摘むこともできる。味噌ダレにつけて食べる、採れたてのじゅんさいの味は格別。この湖畔はまたオートキャンプ場でもある。ファミリーキャンプ、モバキャンの拠点としても魅力ある場所だ。観光客も少なく、静かなキャンプを楽しめる
皆瀬村はそばの里
隣の稲川町は稲庭うどん発祥の地であるが、皆瀬村の特産品はそば。皆瀬村が経営する「かえで庵」から宇宙橋に向かう途中の山中に、見事なそば畑がある。ここは風景カメラマンには見逃せないポイントの1つ。「かえで庵」で自家製の手打蕎麦と皆瀬牛の石焼きを味わうことをお薦めする。価格も安い。特に蕎麦のレベルはかなり高い
秘湯ムードたっぷり泥湯温泉
川原毛地獄と小安峡の間に延宝8年開業の湯治場、泥湯温泉がある。奥山旅館は乳頭温泉鶴の湯や八甲田酸ヶ湯に負けない秘湯度が自慢の温泉宿だ
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