沖縄には、この地方ならではの食材がたくさんあります その中でも珍味を1つだけあげるならば、それは「豆腐よう」でしょう そもそも沖縄の豆腐、島豆腐は本土の木綿豆腐とは作り方も、その重さもまるで違います。島豆腐は大豆の生しぼりと沖縄の海水から作った苦汁を使い、作りますが、豆腐一丁の重量は約1Kg、本土の木綿豆腐の3倍以上はあります。そして保管方法も本土の豆腐のように水の中につけておくことはせず、棚(空気中)にそのまま保管するのも特長ですね。その島豆腐を一口大に切り、塩をまぶし乾燥させた後、泡盛と紅麹の漬け汁で発酵させ、半年近く熟成させたものが「豆腐よう」です。「豆腐よう」の元祖は台湾や中国にある腐乳です。この腐乳が14世紀に沖縄に伝わり、沖縄の人達の口に合うように改良されたものが現在の「豆腐よう」なのです 台湾には臭豆腐という、いわば「くさや」の豆腐版がありますが、「豆腐よう」は臭豆腐ほどには、強い個性ある香りはしません。かなり食べやすいほうだと思います。僕は台湾で臭豆腐の名店といわれる店に連れて行ってもらい、たくさん食べましたが、あれはあれで旨いものです。最近の若者は発酵食品に対して弱いというか、毛嫌いする人が増えています。納豆どころか、なんとスルメすら臭くて、かたくて好きでないという、もうスナック菓子しか受け付けない若者が多発しており、まっこと悲しくなりますが、これが日本の現状です。この事態を世界の食文化から見ると、大きな退化ではないかと思います。スナックや大量生産食品を提供する、大手食品メーカーやファーストフーズメーカーの教育の成果が、見事に現れているともいえますね 玉村豊男さんの著作「パンとワインとおしゃべりと」によると、フランス女性が彼と勝負デートする時は、その1週間前から風呂には入らず、自分の体臭にあう香水を体にふりかけ、出撃するのだそうです。比較して、日本の女性も男性も、朝シャン、消臭、消臭、清潔、清潔のオンパレード。かように、国によって、発酵文化というのは奥深いものがあります さて本題の「豆腐よう」ですが、最初に一口食べた時「あれっ、この味どこかで食べたことある」と思いました。カミさんも同様に感じたようで、一体どこで何を食べたときだろうかと、記憶を辿ると..群馬県水上にある「豆腐アイス」に日本酒を加えた「日本酒アイス」が水芭蕉という地酒を作っている川場の蔵元で販売されているのですが、その味に近いのです まず甘さが口の中に広がります。同時に泡盛の味もしますが酔いはしません。味と舌触りは、これ間違いなくウニだよなぁぁ、でも山羊チーズやイカの塩辛にも似ている。ツルツルではないけど、ザラザラでもない、ねっとり感が特長。これが豆腐だとは、とても想像できません。ウニや山羊チーズに近いけど、動物臭は全くしない、心地よい香りと、奥深い味に包まれます 酒のつまみとしては珍味中の珍味といっても過言ではないほどに「うっま〜い」です 泡盛はもちろんのこと、日本酒にもピッタリ!! とまらなくなる旨さですよ つまみとしてだけでなく、サラダなど、いろいろな料理にも応用はききます 「豆腐よう」は日本の食文化を代表する、画期的な食材だと思いますね これぞアジアンテイストといえるものではないでしょうか 琉球うりずん物産 豆腐よう 5個入り 購入価格599円 原料 大豆 もち米 酒精 食塩 紅麹 合資会社 琉球うりずん物産 沖縄県宜野湾市大山6-6-22 TE 098-897-3767 営 9:00-17:00(日曜祝祭日を除く) http:// tofuyo.co.jp/ pages/ cover.html